ブックタイトル第9回 大阪学術大会論文集 2015
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第9回 大阪学術大会論文集 2015
整骨院領域の補助テーピング法~運動器疾患に対してのキネシオテーピング~そういったことから、一枚だけのKTはないことがわかった。テープテクニックの種類では筋肉テープ・リンパテープ・コレクションテープ・関節腱靱帯テープを使った。■考察6整骨院に来院する患者への、新聞のアンケート調査)では、整骨院についてのイメージは1.痛みをとってくれる施術所68.9%2.薬を使わない安心できる施術所40.7%3.健康を管理してくれる施術所37.2%(複数回答)となっており、運動器疾患の軟部組織損傷に対しては、来院する患者の痛みをとることを第一に考えるべきである。柔道整復師の施術では痛みに対してどうすればよいか、KTでは、痛みをとるために二つの方法を使っていると考えられる。一つは、伸縮性のあるテープを痛いところの筋肉(皮膚)の方を伸ばして貼ると、伸ばした状態から普通の状態に戻したときに、テープが皮膚の表面を緩めてシワが寄る。筋肉が伸びすぎないように調整されるため筋肉が動きやすくなり、痛みの受容器に対する刺激を少なくしている5)。もう一つは、手技療法と同様に、皮膚や筋肉を刺激(体性刺激)すると人体が本来持っている疼痛回避システムが働き始める3)。KTをしている間は、手技療法が持続していることが考えられる。KTは、1種類のテープを1箇所に貼るテープの型はI字が多く、損傷した筋肉部に貼ることが基本であり、その使用量も多い。しかし表1の症例2「頚部・右肩関節損傷」では「前斜角筋KT」「大菱形筋KT」「上中僧帽筋KT」のテープの型としてI字・X字・Y字を使っている5)。つまり損傷に対し筋肉テストの結果として3種類を貼っている。それにより施術効果があがっていると考える。今回の調査でそれがわかった。施術段階でその症状に対してKTの貼り方を変化させることは当然であろう。KT法の評価法を柔道整復師の評価法に加えることにより、現状より正確な評価ができる。そして施術において疼痛緩和の手段としてKTを貼り、手技療法の継続など補助テーピングとして施術に使うことは99%強の軟部組織損傷患者を治癒に近づける施術法の一つである。■参考文献1)臨床キネシオテーピング〔柔道整復師編〕~柔道整復師のためのキネシオテーピング~監修加瀬建造共著大竹基・大橋保・川本隆義・佐藤信幸・種村正昭・近森清・増田浩之(株)たにぐち書店2)運動器疾患ワークブック監修目崎登編集小林直行医歯薬出版株式会社3)よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ伊藤和憲著(株)秀和システム4)月刊手技療法臨床キネシオテーピング2014年11・12月号2015年1~5月号近森清(株)たにぐち書店5)キネシオテーピングトレーナー養成講座部位別(1)(2)(3)(4)・コレクションテープ・特殊テープ一般社団法人キネシオテーピング協会6)鍼灸柔整新聞2009年5月25日発行「整(接)骨院に対するアンケート調査」報告7)大阪柔整保険部だより平成22年11月号■まとめ柔道整復師の主な3つの施術のうち、現状では整復法、固定法(骨折・脱臼)の施術件数が激減している。7平成20年の会計検査院の実態調査)では16都道府県の208の施術所で6か月間の柔道整復療養費支給申請書について調査をした結果、患者数28,293人中、医師の同意が必要とされる骨折又は脱臼の施術件数は141人(0.4%)であった。そのようなことから柔道整復師の施術は運動器疾患の軟部組織損傷(99%強)が対象となっていることがわかる。それに対しての評価法と手技療法が重要である。35